※本記事では妊娠・出産・不妊に関する個人的な体験について触れています。内容にご不安のある方は、無理のない範囲でご覧ください。
沖縄からフルリモートで働いているフロントエンドエンジニア、屋宜です。
昨今、「女性の社会進出」や「活躍推進」といったテーマがよく取り上げられていますが、実際のところ、キャリアと出産・育児の両立にはまだまだ不安や悩みを抱える方も多いと思います。
エンジニア界隈では女性の割合が20%前後と少なく、いまだ男性社会であることから、そうした不安をより強く感じる方も少なくないかもしれません。実際、弊社でもこの記事を書いている現時点では正社員の女性エンジニアは私1人です。
そんな中、私は2023年に出産し、現在は子育てに奮闘する日々を送っています。
本記事では、コルシス唯一の女性エンジニアとして、出産・育児を経験する中で感じたコルシスの働きやすさや、会社のサポート体制について、個人の体験談を交えながらご紹介できればと思います。
妊娠に至るまで
私の場合、そろそろ家族を増やしたいなと考え始めてから実際に妊娠するまでには、少し時間がかかりました。中々授からず、たまたま車で15分程のところに専門の病院があったので、不妊治療を始めることにしました。
基本検査で異常は見られず、不妊の原因は分からないまま、一番自然妊娠に近い「タイミング法」で数ヶ月チャレンジしてみたものの、最終的には「人工授精」という手段をとることにしました。
不妊治療では体の周期に合わせて通院する必要があり、ピンポイントで次はこの日に来てください、と言われることもしばしば。その割には、口頭確認だけであっさり診察が終わることもあり、毎回有給を取っていたら、有給がいくらあっても足りませんし、かなり無駄にしていたと思います。
そんな時に私がフル活用したのが「離席OKルール」。コルシスでは、ちょっとした中抜けであれば、有給を消費せず離席してもいいルールがあります。
短時間で済むと思っていたけど予想より時間がかかってしまった、そんな場合でも後から有給を申請することができるので、事前に有給申請をして無駄にしてしまうこともありません。
平日しか対応していない役所での手続きや、歯医者・病院の通院、銀行での用事など、簡単な私用を済ませるために、全社員が「離席OKルール」を活用しています。柔軟に時間を使って、うまく仕事とプライベートを両立させられるのも、コルシスの魅力のひとつです。
すぐに終わる診察は「離席OKルール」を活用し、検査など時間がかかる場合には半休を取ることで、自分の有給を確保しつつ、不妊治療を進めることができました。また、この時期に有給をそこまで減らさずに済んだことが、次のフェーズで大きな助けとなりました。
妊娠初期
治療の甲斐あって新しい命を授かることができ、まもなくして悪阻(つわり)が始まりました。
悪阻(つわり)にもいくつか種類があり、代表的なものとしては、常に吐き気が続く「吐きつわり」、食べていないと気持ち悪くなる「食べつわり」、特定のにおいに敏感になる「においつわり」、強い眠気に襲われる「眠りつわり」などがあります。人によって症状の出方も程度もさまざまで、重症化すると入院が必要になるケースもあります。
私は常に吐き気が続く「吐きつわり」でした。食べても食べなくても気持ち悪く、1日に何度もお手洗いに駆け込む日々。体力もどんどん落ちて、座っているのもつらく、ほとんど寝たきりの生活が2ヶ月半ほど続きました。
仕事はなんとかベッドの上でこなしていましたが、ここでもコルシスの柔軟な制度が救いとなりました。不妊治療のときに温存できていた有給を、悪阻が続くこの時期に少しずつ使うことになったのですが、コルシスでは半休を柔軟に使える仕組みがあります。通常の「午前だけ」「午後だけ」といった取り方ではなく、1日を通して合計4時間分の休みを、自分の体調に合わせて分散して取ることができるんです。
また、弊社では独自の「シックリーブ制度」を導入しており、風邪や生理、持病による体調不良、通院などの際に、年次有給休暇とは別に取得できる有給休暇があります。これも半日単位で取れるので、その日の体調に合わせて使いやすかったです。
こうした仕組みや柔軟な働き方ができる環境があったおかげで、調子がいい時間帯に仕事をして、つらいときにはしっかり休む。そんなふうに、自分の体調を見ながら働くことができました。
とはいえ、やはり仕事のペースは落ちるし、「これ以上仕事が入ってきたらもう無理かも…」と不安に思うこともありました。そこで、まだ安定期に入る前ではありましたが、家族よりも先に上司に妊娠を打ち明け、相談することにしました。
コルシスは東京と北海道に拠点が分かれており、リモートワークのメンバーも多いことから、物理的な距離はあるものの、オンライン上でのコミュニケーションにとても慣れている組織だと感じます。
日々のやり取りにはSlackを活用しており、業務連絡はもちろん、雑談チャンネルやアニマルチャンネルといったちょっとした息抜きの場もあります。DMで個別に相談することもでき、用途に応じて自由にコミュニケーションを取れるのが特徴です。
風通しがよく、CEOやCTOとの距離も近いため、業務に関する相談はもちろん、ライフイベントについても気軽に話しやすい雰囲気があります。
私自身も、体調がかなり悪かったことや、普段より業務に時間がかかっていたことを正直に伝えたところ、業務を調整していただけて、なんとか妊娠初期を乗り切ることができました。
産休に入るまで
妊娠中期に入ると体調も安定し、業務も妊娠前とほぼ同じペースで進められるようになりました。とはいえ、新しい案件にどんどん取り組むというよりは、産休を見据えて、担当していた案件の引き継ぎを中心に行っていました。
フロントエンドチームは少人数で、すでに他の案件で多忙なメンバーも多い中、それでも嫌な顔ひとつせず、私の担当していた案件を快く引き受けてくださったことには、今でも本当に感謝しています。
産休に入る直前には、あたたかいメッセージをDMでいただいたり、コルシスママさんたちが壮行会を開いてくださったりと、とても嬉しい時間がありました。子育てに関する不安を相談できたり、いろいろなお話を聞けたりして、心の準備をするいい機会にもなりました。
産休に入る前から、「また戻ってきたいな」「頑張って復帰しよう」と思えるメンバーと一緒に働けていることに、恵まれた環境だなとあらためて実感しています。
最後に
今回は、産休に入るまでの体験をお届けしました。
後編では、復職後に仕事と育児をどう両立しているか、そしてその中であらためて感じたコルシスの働きやすさやサポート体制について、ご紹介できたらと思っています。