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店舗を持たないネット専業FXサービスサイトを刷新
UI/UXから見直し、モバイル最適化によって使い勝手を向上 ── 株式会社外為どっとコム

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「Webサポートに関する評価制度『HDI格付けベンチマークレポート』では引き続き三ツ星の評価を得ることができ、スコアはリニューアル後に大幅に改善しました。」
──株式会社外為どっとコム

外国為替証拠金取引(FX)サービスを手がける株式会社外為どっとコム。同社の顧客向けのサービスサイトは、前回のリニューアルから相当の期間が空いてしまったことなどから、スマホ・タブレット対応が十分ではない、コンテンツ量が多く整理されていないといった課題を抱えていました。そこで、サイト管理基盤をCMS化するなどのリニューアルに着手。モバイル最適化によるSEOの改善、UI/UXの向上などの成果をあげています。

「はじめてのFX」に関する情報提供などを行う

渥美様:
当社は2002年に設立された外国為替証拠金取引(FX)サービス専業の事業者で、口座数は2023年2月時点で58万口座を誇ります。FXという金融商品に関する認知を浸透・普及してきており、現在は多くの個人投資家がFX取引を行っています。

当社は「お客様第一主義」を掲げ、2009年に、グループ傘下に外為どっとコム総研を設立、日本の個人投資家向けにFXマーケット情報を発信するなどの啓もう活動を行い、すべての投資家によりよい資産運用の環境を提供する取り組みを行ってきました。

また、お客様向けのサービスサイトは、会員向けの各種情報や、これから取引を始めたいという人に「初めてのFX」に関する情報提供やサービスの説明、キャンペーン情報などを提供しています。

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モバイル最適化によるSEO改善、サイトの情報構造の点でも課題

保坂様:
サービスサイトは前回のリニューアルから時間が空いてしまったこともあり、次のような課題を抱えていました。

まず、PCでの閲覧を前提としていたため、スマホ、タブレットなどのモバイルデバイス向けにサイト表示が最適化されていませんでした。そのため、SEO(検索エンジン最適化)として様々な施策を行ってきたものの、スマホ最適化が根本的な壁として課題になっていました。

また、サイトデザインやレイアウトも経年のせいで古くなりトレンドに合わなくなってきました。コンテンツ量が多いものの整理されていないといったサイト構造、情報整理の面でも課題を感じており、リニューアルの検討に着手することとなりました。

レスポンシブ対応、SEO改善、運用更新性向上がポイント

保坂様:
リニューアルの検討自体は2020年ごろより行っていたものの、最適なパートナー企業が見当たらないことなどから、なかなか進んでいませんでした。そこで、以下の要件をもとに複数の会社に声をかけコンペを実施しました。

  1. ゼロベースでUI/UX設計・デザインをフルリニューアル
  2. コンテンツも整理して、サイト構造をわかりやすく
  3. Googleの検索アルゴリズムに追加された「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」も含む、SEO施策を実施する
  4. 全コンテンツをCMS管理にして、更新性を高める
  5. セキュアで拡張性のあるインフラを構築する

レスポンシブ対応のサイトとし、SEOを高め、CMSにより運用更新を容易にすることがポイントです。

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CMS開発の豊富な実績、セキュリティ面でも安心して任せられる

──保坂様の話を受け、プロジェクトに携わった中西 卓也は次のように提案のポイントを話しました。

「サービスサイトはサービスも多く、ページも多岐にわたります。そこで、サイト構造、構成をゼロベースで見直し、併せて金融機関のサイトということで、インフラから高いセキュリティを確保するよう配慮しました」(中西)。

渥美様:
対象となるサイトはボリュームが大きいため、デザイン面だけでなく運用、セキュリティといった全体のバランスを重視しました。

提案をいただいた各社の内容を精査した結果、コルシスはCMSに採用したMTでのサイト開発、プラグイン開発に豊富な実績、ノウハウを有しており、また、金融サービスを扱うサイトとして厳格なセキュリティ要件を求めている中で、セキュリティ面も安心して任せられると考えました。

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サイト分析やターゲット分析、動線設計に注力

保坂様:
リニューアルプロジェクトは2021年夏頃から開始されました。FXという商品の特性上、お客様はサイトの内容を見て、その場で会員になって取引を開始するという流れは多くありません。

そこで、サイト内では初心者にわかりやすくFX取引を紹介するコンテンツからサイト内の回遊を高め、口座開設につなげていく動線を重要視しました。これまでサービスが拡張していく中で重複していたコンテンツをまとめ、足りないコンテンツは補充するといった整理が必要でした。

また、金融商品を扱う点から情報の正確性が求められます。そこでサイトデザインも信頼感が訴求できるよう、どの程度の情報量が網羅されているのがよいかを精査してもらいました。

渥美様:
コルシスにはサイト制作の要件定義のフェーズに時間をかけてもらいました。サイト分析やターゲット分析、上述したようなサイト内の動線設計に時間をかけました。

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──保坂様、渥美様の話を受け、中西は次のように全体の開発のポイントを話しました。

「プロジェクト初期の2021年8月〜12月頃にかけて要件定義を行い、翌1月から開発に着手、3月以降はデザインパーツなどのコーディングやSEO対策としてインフラ周りの構築などを並行して行いました。要件定義のフェーズでは、まずデータからサイトを分析し、現状を共有するとともにターゲットとなるペルソナを明らかにしました。併せて全体のコンテンツの整理を行いました。部分的な増改築を繰り返してきたサイトだったので、サイト構造とコンテンツの取捨選択についてデータをもとに行っていきました」(中西)。

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──また、リモート体制で進んでいった開発について、弊社 上野 誠敬は次のように話します。

「リモートではコミュニケーションが難しい面もありますが、渥美様が毎週の定例ミーティングなどで相場の話などでうまく場を温めてくれたので、その点で難しさは感じませんでした。また、開発ツールも制限なく使わせてもらうことができたので、設計やデザインはパワポ資料ではなく、実際に動くプロトタイプで説明できたことも、スピーディにプロジェクトを進められたポイントでした」(上野)。

UI/UX、CMSのダッシュボード開発におけるこだわり

保坂様:
開発時に注力したことは、SEOの観点から内容が古い情報を整理して、数千あるページを2、3千ページにスリム化し、コルシスには、実装面でGoogleの検索アルゴリズムに追加された「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」も含めたSEO施策に対応してもらいました。具体的には、サイト表示のスピードに関するガイドラインを作って、細かい部分から実装対応していただきました。

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──UI/UX設計に関するコルシス側の対応について、弊社 榎本 一輝は次のように話しました。

「サイトには学習に力を入れたコンテンツが潤沢だったので、サイトマップを作成し、コンテンツのあるべき場所を整理するところから始めました。併せて、関連するページへの誘導などの導線を整備して、継続的に閲覧を促すよう回遊性を高めました。デザイン面では余白を適切にとって、可読性を高めるなど、大きな施策というより細かいところの配慮を積み重ねました」(榎本)。

保坂様:
MTの管理画面も、Web専門知識を持たない更新担当者が触る部分ですので、入力すべきところをわかりやすく作ってもらいました。

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──CMS開発などでこだわった点について、上野は次のように話します。

「更新対象のページ数が多いサイトなので、コンテンツを分類して、ダッシュボードを分けるなど、使い勝手を高めることに配慮しました。ダッシュボードの入力項目も、お知らせやイベントなど入力項目が多数なページでは、出力されるページの表示と入力項目の順番を合わせたり、パンくずリストについても、イベント情報などの入力情報をもとに自動生成できるようにしました」(上野)。

Webサポートの評価制度ではスコアが大幅に改善

保坂様:
リニューアル後は、自分がどのページを見ているか、サイト内で迷うことがなくなりました。ナビゲーションの動きも直感的になり、既存顧客の離脱が少なくなりました。リニューアル直後のコールセンターへのサイトに関する問い合わせはほぼなく、その点で成功したといえます。

渥美様:
Webサポートに関する評価制度である「HDI格付けベンチマークレポート」を成功指標として設定しました。リニューアル後は、従前と変わらず三ツ星の評価を得ることができ、スコアの数値はリニューアル後に大幅に改善しました。

高齢の利用者もいるので、サイトリニューアルによって使い勝手が悪くなる、サポートへの要望が増えるということがないのは大きな効果ですレスポンシブデザインによるモバイル最適化やCMSによる運用効率の向上も相まって、リニューアルの効果を実感しているところです。

保坂様:
モバイルファーストの面では、これまでスマホとPCのサイトで別々に更新が必要でしたが、ワンソースで管理できるようになったのも大きな効果です。

また、これまで担当者ごとにテイストが異なるデザインパーツなどが更新され、継ぎ足しされてきたのですが、リニューアル後は、統一されたコンポーネントとしてボタンやパーツが管理され、更新されるようになったため、担当者が効率よく、新たなページを追加、改修できるようになりました。

渥美様:
セキュリティ面のポイントとしては、CMSとWebサーバーを分離して管理。MTから生成された静的ページが保管される本番サーバーとCMSが保管されるサーバーを分けることでCMSを狙ったサイバーリスクへ対応しました。これにより、万一、CMSが攻撃されたとしてもサイトの正確性の確保することができています。

今後も顧客関係強化のチャネル整備にサポートを期待

渥美様:
Webサイトは作って終わりではないので、長く続けていけるように修正、更新に取り組んでいきたいと考えています。スケジュール等から元の要件から削った機能などもあり、そこを今後の更新、改修で実現できないかと思っています。

弊社は2002年の創業以来、「お客様第一主義」を掲げ、重要な情報をわかりやすく提供することに取り組んできました。そのためのツール、チャネルの一つとしてWebサイトが強化され、今後もSNSやYouTubeなどのチャネルを強化していき、さらに顧客との関係を強化していきたいと思います。そのためのサポートをコルシスには期待したいです。

保坂様:
サイトがCMS化され、Webの専門知識を持たない人でもお知らせなどを容易に更新できるようになりました。CMSの特性を生かしてより多くの人が更新できるよう、サイトに携わる人を今後はさらに広げていきたいです。

弊社は店舗を持たないネット専業の会社なので、Webサイトは店舗代わりにお客様対応の重要なチャネルです。コルシスはその期待に応えてくれました。今後もプラットフォームの強化、市場環境の変化などへの対応に引き続きサポートをお願いしたいです。

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